今回は、製薬会社で早期退職の打診を断った結果、地方への異動(通称:島流し)を経験された40代男性の体験談をご紹介します。
本記事はYouTube動画でもご紹介していますので、動画視聴はこちらから↓
こんな方におすすめ
- 早期退職の打診を受けている方
- 製薬会社でのキャリアに悩んでいる方
- MRとして長期的なキャリアを考えている方
- 会社に残るか転職するか迷っている方
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製薬会社での早期退職を断った40代MRのリアル

断った後が結構過酷だったとのことですが…
最近、XなどのSNSでも手上げ式の早期退職の話題が上がっていると思いますが、私の場合は早期退職を断ったケースです。
あまり聞かない話かと思いますが、早期退職を断ったその先が結構過酷だったので、ぜひお伝えしたいと思います。
当時は本当に精神的にきつかったですね。
ただ、今だからこそ冷静に話せる気がしています。
製薬会社の早期退職制度とは?

まず最初に、早期退職が行われるステップについてお話します。
- 早期退職の対象者と優遇措置の決定
- 上司との面談
- 意思決定
詳細は企業特定を避けるため伏せさせていただきますが、早期退職の対象者は概ね以下のような条件によって決定されます。
- 対象年齢
- 勤続年数
- 対象部署やポジション
また、早期退職に付随する優遇措置としては以下のものが挙げられます。
- 退職金の割増
- 早期退職者に対する再就職サポート
新卒入社で勤続25年、課長職直後の早期退職打診

私の場合は新卒入社で25年ほど在籍しており、40代半ばで課長職になった直後に早期退職の打診がありました。
優遇措置は正直「そんなに悪くないな」と思いました。
しかし、入社以来営業成績自体は悪くなかったので、このまま勤め続けて出世したいという気持ちの方が強かったです。
そうですね。
年齢的にも自分が対象になっているなというのは理解できましたが、転職についてはあまり考えていませんでした。
ところが、ある日上司から営業所の所員が外回りに出ている時間に面談を入れられました。
その面談で「キャリアの次の一手を考えてみないか」と早期退職を提示されたのです。
上司とは親しい間柄だったので、上司も言いにくそうな感じはありましたね。
「リストラするわけじゃない。ただ、選択肢として退職パッケージを用意しているよ。」
というような説明でした。
私に提示された早期退職の内容は以下の通りです。
- 通常の退職金に6ヶ月分の給与を上乗せ
- 再就職支援付き
そうですね。
その時、「どちらにせよ近々社内で人員の再配置がある」ということを合わせて言われました。
そのメッセージの裏に、「断ればそれなりに険しい道が待っている」というニュアンスを感じてはいましたね。
1週間考えて答えを出してほしいと言われ、家族と話し合いました。
社内では既に噂が広がっており、同期の何人かは「パッケージを受け入れる」と決めたという話もちらほら聞こえていました。
早期退職を断った理由5つ

早期退職を断った理由は5つあります。
- 子供が高校受験を控えていた
- 住宅ローンがまだ7割以上残っていた
- 担当施設も多く、転職活動にかける時間的余裕がなかった
- 転職したことがなかったので不安があった
- 「ここで辞めるのは負けかな」というプライド
入社以来、トップ20%以内の成績を維持してきたという自負。
「自分はまだ会社に価値を提供できる」という、今思えばある種の過信があったのかなと思っています。
家庭の事情とプライド、そして転職活動をしたことがないという不安で葛藤していたということですね。
そうですね。
部長に「残ります」と伝えると、口では「分かった。これからもよろしくね」と言いながらも、一瞬困ったような表情を浮かべていました。
非常に気まずい空気でしたね。
その時点で、何か良くないことが起きそうだなとは感じていました。
ただ、同期の中には「断っても承諾するまで何度も上司から面談の打診があった」という人もいたので、面談が1度しかなかった自分はまだ会社から大切にされているのかなという期待も一部ありましたね。
辞めて欲しい人には複数回話があるというのもよく聞きます。
そう、それです。
だから、私は辞めて欲しい人には入っていないのかなと考えていました。
早期退職を断った3ヶ月後に地方への島流し人事が発令

早期退職の話があってから約3ヶ月後に、突然「地方の営業所への異動」という辞令が出たんです。
さらに驚いたのが、課長職ポジションではなく一般のMRとしての異動だったんですよね。
これは実質的な降格を意味するので、その時は頭が真っ白になりました。
「なぜ自分なんだ」と思いました。
表向きは「新市場の立ち上げに経験者が必要」という理由でしたが、実態は完全に「辞めてもらいたい」というメッセージです。
しかも、異動先のエリアは社内でも難所として知られていた中四国地域。
私は東京育ちなので、赴任先は親戚1人もいないような場所です。
おまけにその地域は、競合他社のシェアが強く、シェアの奪い合いが非常に難しいところでした。
家族は東京に残るという決断をし、単身赴任が決まりましたが、「辞めないならこの難易度の高いエリアに回してやれ」という会社の意図を露骨に感じましたね。
異動の辞令を受け取った日、同僚からは「よく踏みとどまったね」という言葉をかけられました。
地方赴任後の精神的苦痛

最初は本当に辛かったですね。
営業所も小規模で、私を含めてスタッフは数人程度。
しかも、現地のスタッフも私の突然の異動に戸惑っている様子でした。
社内の噂なんてすぐ広まりますし、当時は私と同じように早期退職を断った人たちはみんな飛ばされるような人事。
みんな分かっているような様子でしたね。
「左遷組」というレッテルを貼られているような感覚になりました。
そうなんですよ。
おまけに高い目標数字も与えられて、単身赴任のアパートに帰ると、毎晩のように「なんで自分がこんな目に遭うんだろう」と考える日々でした。
最初の半年は本当に胃が痛くて、家族に会えるのは月に1回、子供の受験勉強も遠くから応援するしかない状態でした。
そうですね。
赴任から半年ほど経ったころに、「このままフェードアウトさせられる…」という恐怖が襲ってきました。
製品プロモーターから急に外されたり、評価面談で「期待に応えていない」と言われ続けたりしたことで、明らかに自信を失っていきましたね。
声が小さくなったり、会議で積極的に発言できなくなったり…
自分でも分かるぐらい萎縮していました。
そうなんです。
ある日、担当エリアの先生から「最近元気ないけど大丈夫?」と声をかけられ、自分の状態に気づいた感じでした。
このままじゃ精神的に参ってしまうと思いました。
2年間耐えた後に転職を決断

転機になったのは、子供の受験が無事終わったことですね。
単身赴任から1年半経った頃です。
改めて自分のキャリアについて向き合う時間が取れたので、そこで「自分は何がしたいのか」を考え直し、結局2年後に転職を決意しました。
そうですね。
一方で実はこの地方での経験が意外な形で私を成長させてくれました。
競合他社が強い地域で、ゼロから先生との関係を構築する経験が財産になったと思います。
今は地元の企業で知人の会社のお手伝いをしているんですが、皮肉なことに、あの苦しい経験が今の仕事に結構活きています。
でも、この決断に至るまでが本当に苦しかったです。
私の世代は、若い方々と違って1つの会社で頑張り続けるのが当たり前の時代。
「会社に忠誠を尽くしてきたのに裏切られた」という被害者意識と「自分のキャリアは自分で決める」という気持ちの間で揺れ動いていました。
転職を決意した時は、正直怖かったです。
ただ、「誰のためにキャリアを積んできたのか」と自問自答して、「自分のため、家族のため」という答えに行き着いた時に決心がつきました。
そうなんですよ。
でも、そういう愛は一方通行の愛。
一生叶わない恋でしたね(苦笑)
転職から3年たった現在

転職してから3年経ちますが、今は本当に充実しています。
給与は前職ほど上がりはしませんが、何より家族と一緒に過ごせる時間が増えました。
振り返ると、あの島流しは辛かったけど、自分を見つめ直す貴重な機会だったかなと思います。
ただ、同じ状況になる人にはもうちょっと早く決断してもいいと伝えたいです。
早期退職を打診された人への3つのアドバイス

以下の3点を日ごろから認識しておくことをおすすめします。
- サラリーマンである以上、会社都合で人生が変わることを理解しておく
- 早期退職の対象者として名前が挙がった時点で、会社にとって不要な人材であると思われている現実を受け入れる
- 決断は早めにする
まず、サラリーマンである以上、会社の都合で辞令を出され、自分の人生が大きく変わることがあると理解しておく必要があります。
また、「自分は会社に貢献してきた」という自負があっても、早期退職の対象にされた時点で、不要な人材と見られている側面もあると自覚すべきです。
声をかけられた時点で、ある程度自覚すべきだと思います。
そして、思い立ったら早めに行動することが大事です。
私の場合は2年も我慢してしまいましたが、もっと早く決断していればと思います。
こちらの記事では、MRの早期退職で1億円を手にした方へのインタビューをまとめてありますので、合わせてご覧ください⇩
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まとめ:早期退職のリアルから得た学びを活かそう

今回は、製薬会社で早期退職の打診を断った結果、地方への異動(島流し)を経験された40代男性の貴重な体験談をお届けしました。
早期退職を断った後の現実
- 課長職から一般MRへの実質降格
- 地方の難所エリア(中四国)への単身赴任
- 精神的に追い込まれる日々
早期退職の打診は、いつ受けるか分かりません。
いざそうなった際に焦ったり、選択を誤ることがないよう、今回の早期退職経験者からのアドバイスを活かしてください!
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