こんなMRいる?元MRがドラマ『MR』をレビューしてみた。WOWOWドラマ

WOWOWの連続ドラマW『MR -医薬情報担当者-』が、WOWOWオンデマンドで全5話配信中です。
向井理さん主演で、製薬会社のMR(医薬情報担当者)を主人公にした医療ビジネスサスペンスです。
厚生労働省とのタイアップ作品としても話題になっています。

MRが主人公のドラマはめずらしく、「MRって実際こんな仕事なの?」と気になった方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、元MRのにしまと、元MR社員の2人で第1話を見て、「どこがリアルで、どこがドラマっぽいのか」を語り合いました。

こんな方におすすめ

  • ドラマ『MR -医薬情報担当者-』を見て、MRの仕事が気になった方
  • ドラマの描写がどこまでリアルなのか知りたい方
  • 現役MR・元MRとして「あるある」を楽しみたい方
  • 医療職からMRへのキャリアに興味がある方

動画でもレビューしているので、あわせてご覧ください。

ドラマ『MR -医薬情報担当者-』とは?

まずはドラマの基本情報をおさらいしておきます。

作品情報

  • タイトル:連続ドラマW『MR -医薬情報担当者-』(全5話)
  • 主演:向井理
  • 出演:要潤、正門良規、松尾諭、升毅、酒向芳、豊原功補 ほか
  • 原作:久坂部羊『MR』(幻冬舎文庫)
  • 配信:WOWOWオンデマンド(全5話配信中)

第1話のあらすじ(ネタバレ控えめ)

舞台は、内資系の製薬会社「天保薬品」です。
向井理さん演じる紀尾中正樹は、天保薬品の営業所長を務めるMRです。

紀尾中は、自社の糖尿病治療薬「パンセル」を年間売上1千億円規模の大型商品に育てるため、日々奔走しています。
そんな中、天保薬品の心不全治療薬で、腎機能障害が疑われる患者さんが出てしまいます。
紀尾中は新人MRの市橋とともに、その原因を調べ始めます。

にしま
にしま
見てない人のために説明すると、主人公は大きな病院を担当しているMRです。1話目は、自社の薬で副作用が出てしまった患者さんにスポットが当たっていて、担当医や病院長が自分の会社をどう思っているのか、副作用の原因は何なのかを追いかけていく話でした。

元MRの総評:再現度はかなり高い。でもストーリーは壮大

にしま
にしま
ドラマ、どうでした?
元MR社員
元MR社員
めっちゃ面白かったです!
にしま
にしま
それはドラマとして面白かったのか、設定が面白かったのか、どっちですか?(笑)
元MR社員
元MR社員
設定ですかね。ちょいちょいコンプライアンスを意識していたり、MRが一般の方からどう見られるかをすごく気にしていたりするのが伝わってきて(笑)
にしま
にしま
わかる、めっちゃわかる(笑)。僕の結論としては、再現度は確かに高い。「このシーンを出してくるんだ」というのが各所にありました。ただ、ストーリーとしてはちょっと壮大すぎるかなと。
元MR社員
元MR社員
確かにそうかもしれないですね。MRをやっていたから想像できますけど、やっていない人からすると、イメージしにくい場面もあるかもしれません。
にしま
にしま
厚労省とタイアップしているみたいなので、雰囲気も硬派で、ミステリー寄りでしたよね。
元MR社員
元MR社員
確かに、ずっと暗かったですよね(笑)
にしま
にしま
しかも、向井理さん演じる主人公が、優秀で完璧で真面目すぎる。「こんなMRおらんやろ」っていう(笑)。ガイドラインを作る先生たちのメンバーにもアサインされていて、優秀なMRという設定でしたね。
にしま
にしま
あと、全体を通して感じたのは「絶対に脚本に元MRが入ってるだろう」ということです(笑)
元MR社員
元MR社員
思いますね(笑)。営業所がすごく内資っぽい雰囲気なので、内資系のMRが監修しているのかなと思いました。天保薬品も内資系の会社という設定ですし、内資の営業所がすごく再現されていました。

元MRが「リアルすぎる」と感じたMRあるある7選

ここからは、元MRの2人が「ここは本当にリアルだった」と感じたシーンを紹介します。

1. 「慰労会」という業界用語まで登場する

にしま
にしま
個人的に驚いたのが、「慰労会」という言葉まで出てきたことです。
元MR社員
元MR社員
このワードを出してくるんだ、って思いましたね(笑)

慰労会とは、製薬会社が主催する講演会などのあとに、講演した先生をねぎらう食事会のことです。
以前はここで先生との関係を深めることも多くありました。
ただ、今は業界のコンプライアンス規制が厳しくなり、慰労会はほとんどできなくなっています。

にしま
にしま
ドラマでは、講演会のあとに他社のMRが先生を慰労会に誘ったら、先生のほうから「慰労会って禁止なんじゃないの?」と言われるんですよね。規制が厳しくなったことを先生が理解している、というところまで描くのは、なかなか攻めているなと思いました。
元MR社員
元MR社員
最近のドクターっぽいですよね。「プライベートです」と言っていたのもリアルでした。
にしま
にしま
国とタイアップしているという話なので、業界に向けたメッセージのようにも読み取れましたね。

コンプライアンスとMRの評価については、実際に現場で違反を指摘したMRに話を聞いた記事もあります。
気になる方はこちらもどうぞ。

コンプラ違反を刺したMRに聞いてみた!プラス評価で昇給も?

本記事では、自身の会社や競合他社のコンプライアンス違反を指摘した経験を持つ現役MRのゲストにお話を伺いました。 MRとして働く中で、「営業目標」「売上」「コンプライアンス」のバランスに悩むことは避けら ...

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2. 他社品を絶対に下げない情報提供

にしま
にしま
コンプラの面で「ここまでやるんだ」と思ったのが、主人公が他社品を紹介するシーンです。他社品の誹謗中傷ができないのは、今の業界では当たり前じゃないですか。
元MR社員
元MR社員
そうですね。
にしま
にしま
主人公は他社の情報もきちんと伝えつつ、他社を絶対に下げずに先生へ情報提供していました。現代的なMR像だなと思いました。
元MR社員
元MR社員
品のある情報提供でしたよね。

3. 内資から外資へ転職したライバルMR

にしま
にしま
1番再現していると思ったのは、要潤さん演じるライバル社のMRです。もともと天保薬品にいた人が、他社に移っているという設定なんですよね。
元MR社員
元MR社員
本当にそうですね。ああいうタイプの人が内資から外資に転職するのも、すごくリアルでした。
にしま
にしま
製薬業界って、業界内の他社に転職する人が多いんですよね。元同期が他社に移って、同じ病院で会うというのは業界のあるあるです。そこまで再現するんだっていうのが、僕の中では1番でした。
元MR社員
元MR社員
主人公の部下が新人っぽい感じなのも、あるあるでしたね。

4. 廊下・エレベーター・駐車場…院内マナーの再現

元MR社員
元MR社員
病院の中のマナーはどうでしたか?
にしま
にしま
MRの作法をかなり再現していましたね。廊下の真ん中、患者さんや先生が通るところで話していたら、先生から「そこに立っちゃだめだ」と注意されるシーンもありました。
元MR社員
元MR社員
エレベーターに乗らない、駐車場は離れたところに止める、というのもありましたね。
にしま
にしま
当時も、4階や5階に行くときでも、エレベーターを使わずに階段で行っていました。クリニックでも病院でも、患者さんがメインで使う駐車場ではなく端のほうに止めて、なんとなく「MRが止める場所」がありましたよね。

ドラマで描かれていた院内マナー

  • 患者さんや先生が通る廊下の真ん中で話さない
  • エレベーターはなるべく使わず、階段で移動する
  • 患者さん用の駐車場ではなく、離れた場所に車を止める

5. ややこしい先生への「まずはお詫び」の対応

にしま
にしま
MRとして「ここはあるある」と感じたシーンはありました?
元MR社員
元MR社員
ややこしい先生への対処法ですね(笑)。原因がどこにあったとしても、そこは追及せずに「自分たちの対応が悪かったです、すみません」と謝る。すごく再現性が高いなと思いました。
にしま
にしま
先生の設定も、めんどくさい先生がいたり、いろいろでしたね。

先生との関係づくりについては、医療事務の方から見た「嫌われるMR・好かれるMR」の特徴を聞いた記事もあります。

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6. 「ザ・内資系」な営業所の雰囲気

元MR社員
元MR社員
ドラマでは営業所のシーンや、先輩方のやり取りが結構ありましたけど、実際もあんな雰囲気ですか?
にしま
にしま
そうですね。「ザ・内資の営業所」って感じですよね。横の人と会話して、チームみんなで話す感じも、営業所らしさが出ていました。
にしま
にしま
僕、最初は卸(医薬品卸)のシーンかと思いましたもん(笑)。みんなちゃんと出社するんだって。
元MR社員
元MR社員
確かに、ちゃんとデスクがあるのは、今は珍しいですよね。
にしま
にしま
主人公は営業所長なんですけど、プレイヤーとしてガンガン病院に入っていましたね(笑)

実際の営業所長の働き方や年収が気になる方は、こちらの記事が参考になります。

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7. MRを下に見る先生がいる

にしま
にしま
MRが下に見られている、というのも再現性が高かったですね。講演会のシーンでも、MRを下に見ている先生がいました。
元MR社員
元MR社員
そうですね。
にしま
にしま
下に見るドクターも、まだいますからね。

ここはドラマっぽい?元MRが感じたギャップ

一方で、「ここはドラマならではの演出かな」と感じたポイントもありました。

先生に怒鳴られる頻度は「半年に1回あるかないか」

元MR社員
元MR社員
新人MRがドクターにだいぶ怒られていましたけど、実際に怒鳴られることってありますか?
にしま
にしま
頻繁には起きないですね。担当エリアの誰かが怒られているな、というのが3〜4か月に1回ぐらい……いや、多いか(笑)。半年に1回あるかないか、ぐらいのペースかな。
にしま
にしま
最近は規制も厳しくなったので、怒られるような行き過ぎたことをする人がいないんですよね。他社品を下げまくったり、自社製品をとにかくよく見せようとしたりする人は、ほぼいないと思います。だから今は、現場でそんなに怒られることはないかなと。
元MR社員
元MR社員
なるほど。ドラマでは「もう来なくていい」と言われた翌日ぐらいに、また行っていましたよね(笑)
にしま
にしま
そこはよくやるなと思いました(笑)。ただ、本気で怒られたときは、ああいう雰囲気になるのかなと思います。

患者さんとの接触

元MR社員
元MR社員
患者さんがお茶をこぼして、MRが手伝うかどうか迷っているところを先生に見られて、勘違いされるシーンもすごくリアルだと思いました。

MRは、原則として患者さんと直接関わってはいけないことになっています。

元MR社員
元MR社員
私も現役のとき、患者さんとはできる限り接しないようにしていました。でも、困っている方がいたら助けるべきなのか、すごく悩みますね。
にしま
にしま
現場ではほとんどないですけど、待合で具合が悪そうな患者さんに、医療スタッフより先に「大丈夫ですか?」と声をかけてしまうとか、それぐらいですかね。
元MR社員
元MR社員
私は名札をつけているので、患者さんから「この会社の薬、飲んでるのよ」と言われたことが2〜3回ありますね。
にしま
にしま
製薬会社のMRは、会社名の入った名札をつけていますからね。高齢の患者さんに声をかけられるのは確かにあるわ。
元MR社員
元MR社員
すごく困りますよね。「ありがとうございます」としか言えないというか、それ以上しゃべるのもおかしいので。
にしま
にしま
なので、あのシーンはちょっとドラマっぽく描いているのかなと。でも、仕方なく関わってしまう場面は、現場でもなくはないかなというところですね。

ドラマをきっかけにMRに興味を持った方へ

ドラマでは、MRが医療現場で果たしている役割や、業界のコンプライアンスの厳しさがリアルに描かれていました。
「MRって面白そう」「自分の経験を活かせるかも」と感じた方もいるのではないでしょうか。

MRは、看護師・薬剤師・医療事務など医療職からの転職先としても人気があります。
未経験からMRを目指す方法や、コントラクトMRという選択肢については、こちらの記事で詳しく解説しています。

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まとめ:MRあるあるが詰まった、業界人も楽しめるドラマ

最後に、元MRが見たドラマ『MR -医薬情報担当者-』第1話のポイントをまとめます。

  • 慰労会・院内マナー・他社品の扱いなど、細部の再現度はかなり高い
  • 一番リアルだったのは、内資から外資へ転職したライバルMRの存在
  • 主人公は完璧すぎるMRで、ストーリーは壮大なミステリー寄り
  • 先生に怒鳴られる場面は、今の現場では「半年に1回あるかないか」程度
にしま
にしま
次回もWOWOWで見られるそうなので、楽しみにしたいですね。
元MR社員
元MR社員
2話の予告では慰労会に行っていたので、そこがどうなるのか気になります(笑)

ドラマはWOWOWオンデマンドで全5話配信中です。第2話以降の展開も、ぜひチェックしてみてください。

にしまファーマでは、MRをはじめとする医療業界への転職相談を無料で受け付けています。
ドラマを見て「MRの仕事をもっと知りたい」と思った方も、気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

西雅貴

西 雅貴(にし まさき)

【経歴】

  • 2015年3月|長崎大学 卒業
  • 2015年4月|塩野義製薬に新卒入社(MR職)
  • 2019年10月|コントラクトMRへ転職(1年勤務)
  • 2020年〜|医療ITベンチャーに転職(DX推進)
  • 2023年5月〜|にしまファーマ株式会社を創業

医療業界の転職支援に特化した人材紹介会社を経営しながら、
YouTubeやSNSで医療業界の転職情報・ノウハウを発信中。

📩 お問い合わせ:
m.nishi@nishimapharma.co.jp

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