今回は、今後のキャリアに悩んでいる医療関係職の方に向けて、PMSモニターという穴場職種をご紹介します。
本記事はYouTube動画でも詳しくご紹介しています。動画視聴はこちらから↓
PMSモニターとは?

PMSとは「Post Marketing Surveillance(市販後調査)」の略です。
すでに市場に出た新薬に関する副作用や使用実態の調査を指します。
PMSモニターの役割は、この調査が正確かつスムーズに行われるよう、医療機関との調整・モニタリング・データ確認などを担う業務です。
PMSモニターとCRAの違い

「試験に関わる」という点で似ているCRAとPMSモニターですが、両者には以下のような違いがあります。
- 調査をするタイミングが異なる
発売前の新薬の調査は「CRA」
発売後の新薬の調査は「PMSモニター」 - 遵守する国の規制が異なる
CRAはGCPに基づき運用
PMSはGPSPという市販後専用ルールに基づき運用
PMSモニターに向いている人

PMSモニターに向いている人は、以下のような職種を経験された方です。
- MR経験者
- CRAやCRC経験者
- 看護師・薬剤師・臨床検査技師などの医療資格保持者
向いている理由①:「医師対応力」がそのまま強みに

PMSモニターは、調査への協力依頼や進捗確認など、丁寧な医師対応がカギになります。
日々医師と関係構築をしてきたMR経験者や医療従事者は、このスキルがそのまま武器になります。
向いている理由②:「ルール運用力」や「報告力」が活かせる

GPSPに則った進行管理、データの正確性チェックなど、CRAで身につけた臨床的な視点やドキュメントスキルも活かせます。
PMSモニターの業務内容

PMSモニターの業務は、大きく分けて以下の5つのステップに分かれます。
この流れをイメージできると、全体像がつかみやすくなります!
1.調査計画の立案

まずは プロジェクト全体の進行計画を作成します。
PMSにはいくつか種類があります。
患者さんの条件を限定するかどうかによって、調査の内容や進め方が変わってきます。
入社後は、PMSモニターとして必要な知識のインプットから始まります。
未経験の方は、まずGPSPやGVPといった法令制度の理解から始めていくことが多いです。
2.医療機関との調整・契約交渉

PMSモニターが、実際に医療機関に足を運び、調査の趣旨を説明するミーティングなどを行います。
訪問先は基幹病院や大学病院などが中心です。
様々なタイプの医師・病院薬剤師さんがいるので、相手に合わせた丁寧なコミュニケーションが求められます。
そのため、普段から病院に出入りしている経験がないと、この「お願い」をする工程を難しく感じる場合も。
3.モニタリング業務

PMSモニターとして、自分が担当している案件ごとに定期的に病院を訪問し、進捗状況を確認します。
この訪問頻度は案件によって様々です。
「月に1〜2回訪問」という施設もあれば、「2ヶ月に1回」という場合もあります。
モニタリングで確認する内容は主に以下の点です。
- 有害事象(副作用)が報告されているか
- 進捗状況に問題はないか
- データの入力内容に誤りがないか
この段階では、報告されている情報にミスや漏れがないかをチェックしていきます。
4.副作用報告のサポート

この段階では、病院の先生方と一緒に業務を進めていきます。
たとえば、発熱や頭痛といった症状が、薬の副作用なのか? それともただの体調不良か?という因果関係の判断を先生に確認します。
また、調査表の内容が正しく記載されているかをチェックするサポート業務も担います。
5.調査表の回収とクロージング

最後に、調査表を回収するために再び医療機関に出向いて、データを受け取ります。
最終的な報告とデータ収集、書類管理を行い一連のプロジェクトは終了となります。
PMSモニターの魅力5選

PMSモニターの魅力は以下の5つです。
- 安定性が高い
- 承認後の「リアルな医薬品の姿」が見られる
- 市場の将来性がある
- 自分の裁量で働ける
- 人間関係がシンプル
PMSモニターの魅力①:安定性が高い

PMSモニターは、すでに承認された医薬品に対して副作用調査を行う業務です。
そのため「調査そのものがキャンセルになる」という不確定要素がほとんどありません。
長期的にひとつの案件に関わり続けられるというのが、魅力の1つです。
また、最近のトレンドとして「海外のデータを使った承認申請」が増えてきています。
それにより、国内での治験が簡略化された医薬品が出てきていますが、その場合でもPMS(市販後調査)は行われることが多いです。
PMSモニターの魅力②:承認後の「リアルな医薬品の姿」が見られる

PMSモニターは、市販された後の医薬品を扱います。
そのため、「薬のその後」を見届けることができます。
MRやCRAの「中間の視点」を持ちながら医薬品を支援する
そういった独自のポジションに立てるのも、この仕事の魅力です。
安全性のデータを積み上げ、「本免許」として正式に世の中で認められる。
そのプロセスを支えるのが、PMSモニターです!
PMSモニターの魅力③:市場の将来性がある

近年、これまで製薬会社のMRが担っていた市販後調査の一部業務が、外部へ移管されていく流れが強まっています。
実際、未経験OKのPMSモニター求人も徐々に増えてきています。
そんな将来性のある職種です!
PMSモニターの魅力④:自分の裁量で働ける

現場の声として多いのが、「PMSのほうが自分のペースで働きやすい」というものです。
例えば、以下のような点が魅力です。
- SDVで原資料をすべて確認する必要がない
- 在宅ワーク中心+スポットでの出張(月1〜2回程度)
- モニタリングの厳しさやプレッシャーが少ない
- 自分の裁量で仕事を進められる
実際に当社でも、新薬MRの20代後半女性のPMSモニターへのキャリアチェンジを支援したことがあります。
「専門性を磨いて将来に備えたい」
「でも、プライベートと仕事のバランスも大事にしたい」
こういった方にはPMSがおすすめです!
PMSモニターの魅力⑤:人間関係がシンプル

CRAで求められるCRCさんとの連携が、PMSモニターでは不要です。
やり取りの相手は基本的に医師のみと、関係性が非常にシンプル。
また、医師相手だからこそ、コミュニケーションの質が高く、話がスムーズに進みやすいと言えます。
PMSモニターのデメリット

魅力あふれるPMSモニターという職種ですが、デメリットもあります。
PMSモニターに転職する前に知っておくべき「デメリット」は以下の3点です。
- ドクターとの人間関係の難しさ
- 自由度が少ない
- CRCのようなサポート役がいない
PMSモニターのデメリット①:ドクターとの人間関係の難しさ

PMSモニターの仕事は、医療機関との契約やドクターへの調査依頼から始まります。
医師には様々なタイプがいるので、時に対応に粘り強く説得が必要な場面もあります。
調査票の記入や謝礼の交渉など、PMSモニターの仕事では「人間関係のマネジメント」も重要なスキルです。
PMSモニターのデメリット②:自由度が少ない

PMSモニターの仕事は、調査の立ち上げからクローズまで、業務の流れがある程度決まっています。
また、調査はGPSPという法令に則って動くため、裁量や創造性よりも「正確性・ルール遵守」が求められます。
そのため、
「自分の裁量で工夫して進めたい」
「新しいアイデアを活かして改善したい」
というタイプの方にとっては、やや物足りなさや窮屈さを感じる可能性があります。
PMSモニターのデメリット③: CRCのようなサポート役がいない

PMSモニターには、施設対応や書類準備などをサポートしてくれる人がいません。
責任を持って1人で全体をマネジメントしていく必要があるという点も、あらかじめ理解しておくべきポイントです。
まとめ:知識と経験を活かせて安定性のあるPMSモニター
今回は、PMSモニターという職種について紹介しました。
PMSモニターは、MR・CRA経験者の「次の一手」として非常に魅力的な職種です。
「今後も医薬品に関わる仕事をしたい」
「働き方を変えて安定したい」
「プライベートと仕事のバランスも大事にしたい」
と考えている方は、ぜひ一度PMSモニターを検討してみてください。


